太陽光発電に陰り!?四国電力が出力抑制!?

太陽光発電の住宅

太陽光発電に陰り!?四国電力が出力抑制!?

タイトルだけ見ても「なんのこっちゃ!?」と思われる方の方が多いかもしれませんね。

咀嚼してみますと

「太陽光発電で売電してる方の収益が今後減るかもしれませんよ?」

といった意味になります。

いやいや、ただでさえ電気代が高い中、どういった理由でこのような事が起こるのでしょうか?

 

そもそも、出力抑制とは?

まずは「出力抑制」とは何かが解らないと話になりませんね。

出力制御とは、電力会社が発電事業者に対して電力の発電を抑制したり、発電を停止する要求を出す事により出力量を管理する制度の事です。


「あれ、夏になったら節電にご協力下さいとか言われるのに、なんで出力を管理するの?」

そう思われた方、実にいい質問です!!

 

出力制限による管理が必要なワケ

実は電力会社が使うような大容量の電力溜めておける蓄電池はまだありません。自動車のバッテリー程度ならともかく、何万世帯もの消費電力を溜めておけるような蓄電池は技術的にもコスト的にもまだまだ難しいそうです。

よって電力会社は、「毎日管内の地域で使用する電力を想定し、必要な分だけ電力を作り、送電する」という作業を延々と行っているのです。

さて、ここで問題になってくるのが近年急速に発電量を伸ばしつつある再生可能エネルギーである「太陽光発電」です。

 

地球にやさしい太陽光だけど…

今回のタイトルにある「四国電力」。やっと登場です。

四国電力の佐伯勇人社長は24日の記者会見で、四国内の事業者らから買い取る太陽光発電の導入量が1年後に現在より40万キロワット多い約250万キロワットになるとの見通しを示した。

需要の少ない今年4月には太陽光発電の最大出力が一時、需要の6割強に達した。

火力抑制などで需給バランスを保ったが、調整余地が乏しくなっている。さらに増える来年には出力制御に踏み切る可能性もある。
※出典:日本経済新聞社 四国電の電力供給、太陽光が一時6割超 来春に出力抑制も

 

先程お伝えした通り、電力会社は電気を溜める事が出来ず、必要な分だけ生産して送電しています。その電気の中には一般家庭から太陽光発電で発電された電力を買い取っている分も含まれます。

需要と供給のバランスが安定している際は問題ないのですが、このバランスが崩れると変電設備等の設備に負担がかかり、最悪大規模な停電が発生する事も。

 

上記の記事にもある通り、太陽光発電による発電量は年々増加傾向にあります。

Co2を発生させないこの再生可能エネルギーは地球温暖化対策として非常に有効なのですが、火力発電と比較し安定した発電が難しいという欠点があります。

例えば日中の日照時間が少なくなるような日が続いた場合、当然発電量は落ちますよね。さらに、発電設備自体は年々増加する一方。

電力会社としては、太陽光発電からどれくらいの電力が生産されるのかがよみにくいという状況のようです。

 

出力制限がかかるとどうなる?

さて、ここまで散々脅かしてきた今回の記事ですが、今日明日心配しなくてはならない…と言うわけではありません。
(あくまで、現状ではという話ではありますが)

出力制限は、発電量の多い施設(500kw以上)から順に出力制限の対象となり、以下50kw~500kw、10~50kw、10kw未満と順次制限の対象となります。

細かいルールについては管轄の大手電力会社によって異なりますが、一般家庭向けの10kw未満については、どの電力会社も一番最後に規制する形となっています。

そもそも東京電力・中部電力・関西電力圏内については、50kw以下の発電設備については出力制限の対象外となっています。

こういった状況にもかかわらず、「将来的に太陽光の出力制御を行う可能性がある」という四国電力社長の発言。

しばらくは注視しておいた方がいいかもしれませんね。

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太陽光発電って、そんなに普及してるの?

太陽光発電って、そんなに普及しているんですが?
車で外回りをする事が多い私ですが、地方の高速を走っているとかなり大規模な太陽光パネルを設置している敷地を見かけることがあります。

これは自治体が防災や省エネ、はたまた運用目的といった様々な観点から設置をしているのが1つ。

もう1つは、遊ばせている土地をお持ちの方に、太陽光パネルの営業マンが頑張って営業をした結果であるとも言えます。

僕の周りでも、後輩が頑張って新築一軒家を購入した時、太陽光発電を導入していました。

それから数年、家を建てた知り合いは何人かいますが、太陽光発電を導入した人はただの一人もいませんでした。

実際、現状の太陽光発電の普及はどのようになっているのでしょうか?

 

太陽光発電の普及率は?

平成26年のデータになりますが、総務省が調査した「全国消費実態調査 結果の概要」という資料によると、2人以上での世帯での普及率で6.6%となっています。

これは、前回調査時(平成21年)の1.6%と比較し5%増。うーん、正直あまり増えてるとは言えないのが現状のようですね、。

ちなみに光熱費の削減と言う意味では同じである高効率給湯器(具体的な商品名で言うとエコキュートやエコジョーズ、エコウィル等)については、平成21年の調査時が5.1%、平成26年の調査時ではなんと23.9%で18.8%も普及が進んでいる状態です。

ちなみに統計データは以下の総務省HPにて掲載されていますのでご興味のある方はどうぞ。

出典:総務省統計局/平成26年全国消費実態調査 結果の概要

 

なぜ太陽光発電はそこまで普及していないのか?

一概には言えませんが、現状考えられている原因としては以下のような理由が考えられます。

 

持ち家じゃないと設置できない

これは非常に分かりやすいですね。当たり前ですが、賃貸マンションには太陽光パネルは設置できません。(笑)

この手の商材は、ご年配の方は積極的に導入しない傾向にあります。(そこを狙った詐欺まがいの業者が多々あるのも事実ですが…)

比較的若い層が新築戸建てを買うと言うのもなかなか勇気がいるモノです。さらに、今後は少子高齢化が進み、戸建ての販売戸数は減少することが予想されます。

単純に、売り先が少ないと言うのが原因の一つと考えられます。

 

余剰電力の買い取り料金が年々下がっている

「余った電気は電力会社が買い取るのでお得ですよ~」

なんて宣伝文句、よく耳にしましたよね?

さて、現在の電気の買取価格はと言うと…

年度 買取価格
平成22年度 48円
平成23年度 42円
平成23年度 42円
平成24年度 42円
平成25年度 38円
平成26年度 37円
平成27年度 35円
平成28年度 33円

はい、見事に右肩下がりですね~(--;

さらに経済産業省は2019年度に、家庭向け24円、企業向け18円まで値下げすると発表しています。

以前ほどの魅力が見いだせない…と言うのも原因の一つでしょう。

 

助成金の打ち切り

「せっかく一生に1度の買い物なんですから、助成金のある今先の事を考えて太陽光発電を導入しませんか?」

「今なら国の助成金があるので、かなりお得に太陽光発電を導入できますよ!?」

こんな営業トークも、よく聞いた話なんですよね。

現在、国からの助成金はすでに打ち切り。県や自治体が支給する助成金も続々と打ち切り状態になっています。

「以前は○○円の助成金が入ったのに…それならやめておこうか」

という悲しき現状があります。

 

太陽光発電は設置費用が高い!!

恐らくこれが一番の原因でしょうね。

規模にもよりますが、少なくとも100万オーバー。なんなら見積の段階で300万なんて金額を提示される場合も。

先程比較対象として明記した「高効率給湯器」の場合、安ければ4・50万ほどで設置が可能。

これはかなり安い例ですが、よほど大がかりな設備を導入しない限り、300万なんて金額を見積もられることは無いかと思います。

 

太陽光発電を導入するメリットは無いの?

さて、ここまでさんざんネガティブな記事を書いてきましたが、もちろんメリットもあります。

それは、今規約をすると、10年間は同じ価格で電力を買い取ってくれるということです。

買取金額が高いという事は、それだけ費用の回収が早いということ。

今後買取価格が下落することが想定される中、導入するなら早めの決断がよさそうです。

ただし、現状電力の買い取り自体を停止を検討している地域があるので必ず事前にご確認を。

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