日本の安全神話が崩壊したと言われるようになった昨今、かつては店舗くらいにしか設置されていなかった防犯カメラですが、今では至る所で目にするようになりました。
銀行や郵便局といった金融機関はもちろんのこと、駅や商店街といった人の集まる施設、最近では一般家庭にも設置されているケースが少なくありません。
防犯カメラの普及については、未知なる犯罪に対する恐怖から導入を検討されるケースがほとんどですが、技術の進歩や普及率の向上により導入コストが低下した事も大きな要因と言えるでしょう。
ここで1つ皆さんにご質問です。防犯カメラは「犯罪や事件を映像として記録し、いざと言う時に証拠として使用する目的で設置」するだけではないと言う事を御存知ですか?
防犯カメラ設置における2つの役割
すでにお気づきの人も多いかと思いますが、防犯カメラの役割には以下の2つがあります。
1.犯罪が発時、証拠として映像を録画・保存するため
言わずと知れた、防犯カメラ本来の目的ですね。
最近のカメラは高性能化が進み、単純な画質の向上だけでなく視野角が広いカメラ(広範囲を録画できるカメラ)だったり夜間でも鮮明な映像が録画できる赤外線カメラなど、多種多様なカメラが生産されています。
一般家庭向けにも比較的安価なカメラが開発されており、導入されている家庭も徐々に増えつつあります。
2.抑止力として犯罪の発生率を抑える
例えば一般家庭で実際に犯罪の被害にあわれた際、カメラの映像は証拠として犯人の検挙や犯罪の立証に大いに役立つでしょう。
しかし、そもそも犯罪被害に合わなければ、それに越した事はありませんよね?
例えば貴方が空き巣に入ろうとする窃盗犯だとした場合、防犯カメラを設置している家と設置していない家、どちらに侵入を試みますか?
「防犯カメラを設置するくらいお金のある家だから、そちらを狙う!!」
なんて回答があるかもしれませんが、普通は楽に侵入できる家を選びますよね?
実際に犯罪に合うと、警察への届出や侵入経路である窓やドアが破損されている場合はそれらの修理費がかかります。また、「被害にあった」と言う事実は長く被害者と家族の心を苦しめるはずです。
一昔前ならそこまで気にしなくても良かった事かもしれませんが、もはや自分の安全は自分で守る時代になってきているのです。
抑止力としての防犯カメラ
犯人に防犯意識の高い家だと思われる事は、それ自体が抑止力として犯罪の発生率を低下してくれます。
少し古い記事になりますが、検察庁が発表したデータに、以下のようなものがありました。
警察庁は14日、全国の警察が2015年に把握した刑法犯件数(認知件数)は109万9048件(前年比9%減)で戦後最少だったと発表した。ピークだった02年(285万3739件)から約6割減少した。減少分の約9割は窃盗が占めており、少年犯罪が減ったことも影響している。警察幹部は「防犯カメラの増加など官民挙げた街頭犯罪対策の効果が出た」と話している。
防犯カメラはセキュリティー会社のサービスと違い、一度設置してしまえば電気代以外の月々のランニングコストは発生しません。
こういった事情も、一般家庭に防犯カメラが普及しだしている原因の一つかもしれませんね。