仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係 Vol.03

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係

何かと話題が尽きない仮想通貨ですが、以前に比べれば報道される規模や回数が少なくなってきたように感じます。

頻繁に起こる不祥事に、マスコミも視聴者も少し慣れてきてしまっているのかもしれませんね。

 

さて、前回では「マイニング」という作業が仮想通貨の世界で行われており、コレが電気代に影響するかも!?って所までお話ししました。

今回は「なぜマイニングが電気代に影響する可能性があるのか?」と言う所についてご説明したいともいます。

マイニングについては、前回の記事をご確認いただければ大まかにはご理解いただけるかと思います。

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係 Vol.02

 

マイニング大量の電気を消費する

この「マイニング」という言葉、そもそも「発掘」と言う意味で、その名の通り発掘に成功した人は少量ですが仮想通貨を得る事が出来ます。

しかし、この「発掘作業」ですが、最も早く見つけた1名のみ仮想通貨を得る事が出来る仕組みになっています。つまり、先着順なんですね。

発掘と言っても実際にはパソコンが作業をするのですが、パソコンを使う人の技術もさることながらパソコン自体の性能も影響されます。

 

時速300km以上もの速度でコースを疾走するF1レース。F1で使われる車の燃費は1リッターあたり2~4kmほどだそうです。

最新の軽自動車やハイブリットカーだとリッター30kmを超えてきます。

パソコンも同じで、性能が良くなれば燃費(使用する電気量)も悪くなってきます。

そして、このままマイニングを行う人口が増えると、以下のような事態に陥るかもしれません

 

増え続けるマイニングの消費電力

こうしている間にも、仮想通貨のマイニング作業を行う人は増え続けているようです。

そんななか気になったのが、以下のニュース。

北欧アイスランドでは今年、仮想通貨マイニングによる電力消費量が一般家庭における電力消費量を超えるようだ。
寒冷な気候と再生可能エネルギーが利用しやすい同国に仮想通貨マイニング企業が流入していることが主な原因だ。AP通信が今月12日伝えた。
※出典:コインテレグラフジャパン アイスランド 仮想通貨マイニング企業の電力消費が家庭消費を凌駕

 

もちろんアイスランドと日本では人口も消費電力も違うので一概に比較はできないのですが、AP通信社が記事として取り上げるレベルには事態が進んでいると言う事は間違いなさそうです。

このまま消費電力の増加が進めば、最悪地球温暖化の原因の一つであるCo2排出量も増加し影響を与えるのでは…といった意見も出ています。

恐るべし、仮想通貨…ですね。

 

マイニングに成功しても、赤字の場合も…

このように、かなりの量の電気を消費するマイニング作業。1個人が1台のパソコンを使ってマイニングを行う場合、経費を考えると赤字になる…なんて事も往々にしてあります。

パソコンの性能や算出時のご契約されている電力会社の料金にもよりますが、1ヶ月の間24時間パソコンを動かしっぱなしにすると800~1,000円ほどの電気料金がかかります。

マイニングにより、それ以上の金額が稼げないと、赤字に…と言うことなんですね。

 

さらに、最近ではマイニング専用の高性能なパソコンを用意し発掘を行う企業が増えており、1個人では採算が取れなくなっています。

このあたりが世界中でマイニングによる消費電力増加に一役買っている理由でもあるのですが。

世界の消費電力の増加については、以下の記事に詳しく掲載されています。

ビットコインの価格が上がり、需要が増えていくにつれて、ビットコインマイニングにかかる電力消費量も上昇
ビットコインマイニングは、すでに世界中の159ヶ国のそれぞれの消費電力量よりも多くの電力を消費していて、2018年の10月には、イギリスの総電力消費量をも凌駕するのではないかと予想されています。
※出典:COINPOST ビットコインマイニングの消費電力が世界159ヶ国の各消費量より多い現状

 

マイニングは、国内の電力事情にも影響を!?

このようなニュースが飛び交う中、日本国内の新電力事業者に仮想通貨採掘用の電力プランを打ち出す事業者現れました。

新電力ベンチャーのLooop(東京都文京区)が、たて続けに仮想通貨の採掘(マイニング)に関する発表をしている。
まず、9月27日に仮想通貨マイニング事業者向けの新電気料金プラン「マイニングフラット」を提供すると発表。そして、11月2日には仮想通貨取引所を運営するテックビューロ(大阪市)とマイニングソリューションを提供するクリプトマイニングジャパン(CMJ、大分県大分市)との3社で、マイニング事業に関する業務提携を発表した。
※出典:日経ビジネスONLINE 新電力Looopが仮想通貨「採掘専用電気」

 

先程お伝えした通り、マイニング専用のパソコンは非常に多くの電力を消費します。ですので事業としてマイニングを行う場合は中国など電気料金の安い国で事業を行う事が多く、電気料金の高い日本ではあまりマイニングに適しているとは言えない地域になります。

新電力ベンチャーのLooopの社長も、このプランで契約者数が大きく伸びる…なんてことは考えていないようですが、実際に国内でマイニングを行う業者にとっては魅力的なプランなのかもしれません。

 

現状は、このまま仮想通貨の普及が進めば…という話

最近の報道を見ると、仮想通貨の熱自体が少し冷めてきているようにも感じますが、ここまで普及してしまった仮想通貨が0になると言う事はありえないでしょう。

とはいえ、今日明日すぐに国内の電気料金に影響する…と言う事は無いかと思います。

 

しかし、少し近年のニュースを思い返してみると、マグロやウナギなどの海産資源が中国で食されるようになった結果、資源が減少し価格が高騰…なんて話もあります。

また、20年ほど前はレギュラーガソリンが100円近辺と言う時代もありました。こちらも世界中で原油の需要が増えたため価格が上昇した最たる例です。

 

今後新興国が成長していく過程で電力の消費量は間違いなく上昇するはず。それ以外にここまで消費電力が上昇する懸念材料がったら…

もしかしたら、近い将来電気代が上昇するようなことがあるかもしれませんね

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係 Vol.02

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係

最近は仮想通貨関連の報道も幾分落ち着いてきたようにも見えたのですが、先日タリアの仮想通貨取引所BitGrailからアルトコインの一種であるNano(XRB)が流失する騒ぎに。

被害額はNano 1700万XRBと、直前の価格1250円/XRBで換算すると約211億円という途方もない金額が損害にあったとのこと。

あまりに桁がおおきすぎてイマイチ実感がわきませんが、まだまだ仮想通貨業界は報道各社をにぎわせそうですね。

 

さて、いきなり脱線から入ってしまいましたが、今回も仮想通貨と電気のお話です。

いきなりですが、みなさん「仮想通貨のマイニングってご存知ですか?

実際に仮想通貨を取引している人でも、「マイニング」をご存じない方は多いのではないでしょうか?

 

実はこのマイニング、私達の電気料金に影響与えるかもしれない…というのが今回のテーマになります。

 

仮想通貨のマイニングとは?

この記事は電気業界の話を取り上げるのが目的ですのであまり詳しくは書きませんので簡単に説明しますね。
(本気で説明するとそれだけで1記事は楽に書けちゃいますので)

 

BITコインを始めとする仮想通貨は、通貨の発行や取引に必要である国や銀行といった中央機関が存在しません。

本来通貨とは、国や銀行の信頼を担保に発行され、価値のあるものとして認識され・流通します。

また、流通する通貨の数量も、国や銀行がコントロールしています。

 

しかし、仮想通貨には中央機関は存在ないため、このままでは誰がどれだけの仮想通貨を保持し、いつ使ったのかがわかりません。

ですので仮想通貨では、通貨の入出金を記録する取引台帳をインターネット上で分散し保存。非常に多くの人々(パソコン)が取引台帳を管理する事により仮想通貨取引の整合性を保つような仕組みが導入されています。

この台帳に取引情報を追記し、整合性を合わせる作業を「マイニング」と呼ばれています。

 

マイニングについては、以下のページに詳しく書かれていますので、興味のあある方はどうぞ

※出典:bitFlyer
ビットコインを生み出す採掘(マイニング)

 

実はこの「マイニング」個人でも参加する事が可能なんですが、なんとお金になります。

取引台帳に追記することに成功した場合、少量の仮想通貨を貰える仕組みになっており、例えばBITコインの取引台帳に追記出来た場合、BITコインが貰えちゃうんですね。

 

ここに目を付けた企業は以外に多く、GMOやSBI、DMMなどの大手企業が新たなビジネスチャンスとしてこぞって参入しています。

これは国内だけの話ではなく世界的にも広がっている話で、日本国内についてはむしろ遅いくらいの状況です。

さて、ここまで「電力」なんて言葉はまったくでていませんね(笑)

 

しかし、このマイニングを行うのに世界中で莫大な電力が消費されていると言うニュースが飛び込んできました。

次回はこの辺りについてお話したいと思います。

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係 Vol.01

仮想通貨で電気が変わる!?知られざる電気との関係

仮想通貨。最近のニュースで耳にしない日は無いのではないでしょうか?

昨今のBITコインが乱高下したニュースや、コインチェックの580億円相当の流出事件、フェイスブック社の仮想通貨慣例事業者の広告禁止など、毎日何かしらのネタが特に意識しなくても入ってくるような状況です。

一見まったく関係の無いように思える仮想通貨と電気。ところが最近のニュースをよーく見て見ると、意外な所で関係があったりする記事も見受けられます。

今回は、皆さんが知らない仮想通貨と電気の関係をお伝えしたいと思います。

Coincheckでんき

約580億円もの仮想通貨を流出させた仮想通貨取引所、Coincheck(コインッチェック)皆さんも名前くらいは聞いた事があるのではないでしょうか?
以前は「出川哲郎さんがCMをしている」ので、ご存じの方も多いかと思います。

なかなかインパクトのあるCMを流していたCoincheck(コインッチェック)ですが、なんと新電力事業にも参入していたようです。

Coincheckでんきの概要

ここで、簡単にCoincheckでんき概要を説明すると

1:決済方法に仮想通貨のBITコインが使える

もちろん専用の口座開設等若干面倒なことはあるようですが、現金ではなくBITコインで毎月の電気代を支払う事により、1~7%ほど電気料金が安くなるようです。

2:月額利用料に応じて、BITコインでキャッシュバック

電気料金や支払い方法は今までと同じですが、利用料金に対して1~7%ほどビットコインでのキャッシュバックが受けられるプランです。

これら2つが軸になっているようです。

確かに今話題の仮想通貨であるBITコインが電気を利用するだけで貰えるなら、魅力がある商品かもしれませんね。

しかし、先日以下のようなニュースが報道されていました。

コインチェックの仮想通貨流出が、電気料金の支払いに飛び火した。

「NEM」およそ580億円相当が流出した、仮想通貨取引所のコインチェックは、電気料金のビットコイン決済を停止すると発表した。

※出典:FNN コインチェック問題 さらに飛び火

丸紅グループと提携しているようですし、潜在的なニーズも多そうな商品でもあるのでこれだけの不祥事を起こしてもなかなか停止とまではいかないのでしょうね。

以前はCoincheck社の仮想通貨は出金が出来なくなっている時期もありましたが、現在は問題なく出金することが可能なようです。

世界はキャッシュレスの時代へ

最近の世界情勢では、高額の紙幣の発行を抑制する流れが加速しているようです。

日本ではまだまだ現金で買い物をする人が大多数かと思いますが、クレジットカードや電子マネー等、着実にキャッシュレスの時代は近づいてきていると思われます。

今回の仮想通貨流出事件は、システムや法制度・業界ルールの整備等市場が未成熟なために発生したものであり、今後は少しづつではありますが安全性は向上し、普及もしていくかと思います。

今後は「円」だけでなく、色々な仮想通貨で電気代を支払うのが当たり前の時代が来るかもしれませんね。

PAGE TOP