冬到来で各地で雪の知らせが続々と届く中、気温だけじゃなく財布も寒くなるようなニュースが飛び込んできました。
そう、「また」電気代の値上げのお話です。ゴメンナサイ・・・
原発の費用増のせいで電気代が値上げに
車での移動中は結構AMラジオを流してるんですが、先日HNKのラジオを流していると毎時間こちらのニュースが報道されていました。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉費用などの負担の在り方などを検討する国の有識者会議が開かれ、経済産業省は、賠償や除染も含めた原発事故に関連する費用の総額が従来の倍の21兆円余りに膨らむという見通しを示しました。費用の一部は、電気料金の支払いを通じて国民が負担する形となります。
今までお国が動いた事業で、「予定より費用がかかりました~(笑)」みたいな話は山ほどあるので驚かないと言えば驚かないのですが。しかし、10兆違うとはね…(というか、予定より安くなったことを聞いたことがないですが…)
原発対策費用増加の金額
ちなみに、どんな作業にどれだけの金額が増加になったかというと
当初の金額 | 増額後の金額 | |
---|---|---|
廃炉に関する費用 | 2兆円 | 8兆円 |
賠償に関する費用 | 5.4兆円 | 7.9兆円 |
除染に関する費用 | 2.5兆円 | 4兆円 |
中間貯蔵に関する費用 | 1.1兆円 | 1.6兆円 |
桁数が大きすぎて我々庶民にはイマイチ実感がわきませんが。金額だけみると中間貯蔵に関する費用の増加が0.5兆円増と低くなっていますが、ちょっと冷静になって考えてみましょう。
0.5兆って5000億円ですよ?率に換算すると約50%のコスト増ですよ?
普通の会社なら、あり得ないことです。
実際にどのような形で電気代が増えるのか?
電気代の支払いを通じて私たち国民に費用の負担を求められるわけですが、実際にどのような形で電気代が増額されるのでしょうか?
実はこれ、東京電力管内だけの話ではなさそうなんです…
東京電力は、電気料金の値下げが無くなるかも!?
本来電力会社が利益を上げた場合、電気料金の値下げにつながります。
今回まずはこの点を見直し、本来値下げに使われる金額を原発処理費用に利用できるようにするとのこと。
つまり、東京電力を利用している方は原発処理が終わるまでは電気代が値下げされない可能性が!?
もちろん値上げはするでしょうから、他のエリアに比べて割高感がさらに高くなるかもしれませんね…
ちなみにこの制度で得た利益は、「廃炉」に関する費用に使われるようです。
原発を保有する他の電力会社も負担増に!?
さらに、賠償費用については東京電力のみならず、他の原発を保有する電力会社にも負担が求められます。
東京電力以外の電力会社で原発を保有している会社は2社。そう、関西電力と九州電力です。
ちなみに負担額は東京電力は1200億円ほど、関西電力は315億円、九州電力は169億円と差はありますが、関西電力・九州電力圏内の方にしてみたら納得のいかない所もあるかと思います。
だって、この負担は間違いなく「圏内の電力利用者」の負担になっているので…
なんと新電力の電気代にも影響が!?
今年の4月より開始された新電力事業(電力小売りの自由化)当サイトでもたびたび記事にしてきましたが値上げの波はこの新電力にも及びます。
現在、新電力に契約している方は賠償費用の一部を負担していない状態だったのが、今後は電気料金の不公平さをなくすため、新電力の事業者にも負担を求める方針に変更するとのこと。
ちなみに現状の試算で賠償総額が7兆9000億円。このうち新電力による負担額は2400億円程度になる模様です。
仮に新電力が40年かけて支払う場合、新電力を利用する世帯の電気代に月平均で18円ほど値上げされる計算に。
40年×12ヶ月×18円=8640円 が現状私達が支払う賠償額の補填金です。
はたしてこれで電気代の値上げは止まるのか?
これらの情報は国が発表したとはいえあくまで「試算」に過ぎず、今後賠償等の費用が高くなり、また電気の利用者の負担増になることは十分に考えられます。
例えば新電力が負担する賠償額について。
40年で計算した場合一月18円との事ですが
●賠償額の増加の可能性
●世帯の減少(少子高齢化)
●新電力業者自体の減少(倒産・事業撤退等)
少し考えただけでも色々な問題点があるかと思います。
今後も電気代の増加が想像される中、私達ユーザーは正しい知識を持ち、節電や使用電力量の削減に取り組む…と言うのが一番間違いない電気代の削減方法なのではないでしょうか?