電力自由化については、当ブログでも長い間色々な記事をお伝えしてきましたが、もしかすると、今後関西電力エリアについては新たな動きがあるかもしれません。
タイトルにも記載している通り、先日の6月6日、関西電力の高浜3号機が再稼働を開始しました。
高浜原発3号機(福井県)が6日再稼働したことで、関西電力の発電電力量に占める原発比率は拡大に向かう。
東日本大震災前に4割を超えていた原発比率は、震災後の安全基準の強化などに伴う全面停止で、一時はゼロになったが、今年度は1割を超える見通し。
原発を主軸に据えた電力供給に回帰している。
※出典:産経WEST 高浜3号機再稼働、関電が原発比率拡大へ…石油火力は休止
関西電力の原発依存度は高い!?
実は東日本大震災前の平成22年時関西電力は11基の原発を稼働し、年間の発電量における約44%を原発でまかなっていました。
この値は東京電力など他の大手電力会社と比較しても高い数字になります。
ところが震災後様々な利用により原発は稼働を停止。平成26年と28年には稼働する原発が0となり、発電コストの高い石油火力発電所に頼らざるを得ない状況が続いています。
ちなみに石油火力発電所は原子力発電と比べて発電コストが3~4倍ほど高いそうです。そりゃ、電気代を値上げしなきゃ関西電力としてはまずい…というわけなのです。
実際問題、他の大手電力会社と比べ、関西電力の電気料金は割高になっています。
電気代の値下げの時期と金額は?
高浜3号機は7日午前2時半ごろ臨界に達する見込みで、営業運転開始後の7月上旬以降に電気料金の値下げを実施したいとのこと。
もちろんこれは順調にいけばと言う話なのでしょうが、電力自由化による顧客流出の懸念が大きく、早めに値下げを打ち出すことによりこれ以上の流出を防意図がありそうです。
現に電力自由化開始以降、関西電力より約70万件の顧客が新電力事業者へと流出。ちなみにこのうち約30万件は大阪ガスに奪われたそうです。
さらに今年よりはじまったガスの自由化により関西電力は大阪ガスより14万件の顧客を獲得。今後の価格設定次第ではさらに顧客を奪う可能性があり、大阪ガスとしては今回の原発稼働は脅威と感じている事でしょう。
ちなみに肝心の下げ幅ですが、「3%を軸に検討する」との事。
関西電力の本年5月における標準家庭での電気料金は6836円/月。
3%ということは…「205円」ですね。
ご存知の方も多いかと思いますが、この5月に電気代は大きく上昇しました。
主な原因としては再生可能エネルギーを普及させるために料金に上乗せする「賦課金」が、5月から増額されることと、いつもの燃料費調整制度ですね。
なお、関西電力の5月の値上げ金額は「190円」。4月については「54円」の値上げ。
うーん、値下げはうれしいんですけど、あまり値下げされたという実感はわかないかもしれませんね。
ただし、関西電力の価格設定次第では今後新電力事業者が新たな価格設定をする事は容易に想像できます。
まだまだ関西の電力事情は落ち着かないのかもしれませんね。