マンションの管理組合の方々も、マンション管理における経費削減については日頃から討論されているのではないでしょうか?
昨今、電気料金は頻繁に見直されており、基本料金・電力量料金・託送料金・再生可能エネルギー賦課金などが 値上げまたは制度変更 の対象となることが増えています。支払いを減らすことはできないにしても、固定費の部分を抑える工夫は非常に重要です。
今回は当社でもお勧めしている「電子ブレーカー」と「主開閉器契約」の組み合わせによる電気料金(特に基本料金・契約容量)削減の方法を、マンション管理者様向けに、最新情報を交えてご提案いたします。
主開閉器契約とは?
従来の多くのブレーカーはバイメタル方式など、物理的・アナログ的な温度変化などによる遮断で電流過多を防ぐものです。しかし、この方式では「何アンペアをどの時間超えたら遮断する」という細かな管理や、実際の消費電力の波の把握・制御が難しいという欠点があります。
電子ブレーカーは、電流をリアルタイムで測定・記録し、設定したしきい値を越えそうなときに警報を発したり、ある設備のみを停止させたりできるものです。これにより、ブレーカーが不用意に落ちることを回避しつつ、契約電力を適正に設定できるようになります。
なぜ電子ブレーカーが誕生したの?
「主開閉器契約」とは、設置されている主開閉器(メインブレーカー)の定格電流値および供給電圧をもとに、契約容量・契約電力を決定する契約です。これに対し「負荷設備契約」では、施設内の機器すべてが同時に最大稼働した場合を想定して契約電力を算定するため、使用状況によっては無駄な容量を抱えることになります。
2025年現在、多くの電力会社で、主開閉器契約が低圧電力のメニューとして選択可能(もしくは変更可能)となっており、また基本料金や託送料金などの制度見直しも進んでいます。したがって、契約形態の見直しや電子ブレーカー導入のタイミングは、過去数年よりもさらに重要になっています。
なぜマンションに電子ブレーカー+主開閉器契約が向いているのか?
上記のような契約形態を最大限活かすためには、電気機器の「稼働波」「同時使用ピーク」「閑散時間帯の無駄」を抑えることが鍵です。マンション共用部にはそういう特徴を持つ設備が多いため、以下のようなメリットが期待できます
- 共用部の設備(エレベーター、ポンプ、立体駐車場設備、照明など)は、ピーク時以外は稼働が少ない/間欠的である。電子ブレーカーによってピークをモニタリングして制御することで、契約容量を小さくする余地が生まれます。
- 初期導入コスト、工事費用、機器代を含めても、多くの導入ケースで 4〜5年で投資が回収可能であるという報告があります。耐用年数はおおよそ10年程度を見込むものが多いです。
- 契約変更申請の手続き(電力会社との契約見直し・約款変更)や、電子ブレーカー設置に伴う工事(場合によっては短時間の共用部停電など)が必要になりますが、それを見越してしっかり計画すれば居住者への影響を最小限にできます。
マンション共有部分の電気代にお悩みの方はぜひ一度ご相談下さい。