相変わらず高い電気代。これだけ高いとどうしても気になりますよね。少しでも光熱費を抑えたい方へお届けする「電気代削減シリーズ」。今回はガス給湯器に焦点を当てて、意外と見落としがちな「電気の消費」と待機電力について分かりやすく解説します。
ガス給湯器でも、実はしっかり電気を使っています
お湯自体はガスの燃焼でつくりますが、その運転・制御のために電気が必要です。たとえば次のような箇所で電力が使われています。
- リモコン/操作パネル(表示・温度設定・制御)
- 点火器(火花でガスに着火)
- 送風ファン(燃焼用の空気を供給)
- 各種センサー・弁(流量・温度などの制御)
- 保温・凍結防止等の制御回路(機種による)
つまり、お湯を使っていないときでも待機電力が発生し続ける仕組みになっています。
便利になった分だけ増える“待機電力”というコスト
昔と違い、今の給湯器は追い焚きや自動保温、浴室暖房連携など機能が豊富。便利になった反面、常時スタンバイのための通電が必要で、ここが「電気代の見落としポイント」になりがちです。
待機電力の目安(機種により差があります)
- 従来型の給湯器:およそ 6〜7W 前後 の事例
- 新しめの省エネ型(例:エコジョーズ等):1〜2W 前後 に抑えた機種もあり
※上記は待機時の目安です。実際の運転中は別途、点火・送風・制御などに電力がかかります。
年間の電気代をざっくり概算してみる
電気料金の試算は、次の式で概算できます。
1日の電気代 = 待機電力(W) × 24時間 ×(電気単価(円/kWh) ÷ 1000)
例①:一般的な従来型(6.5W想定)
6.5W × 24 × (31 ÷ 1000) = 約 4.836円/日
→ 1か月(30日)で 約 145円
→ 1年(365日)で 約 1,765円
例②:新しめの省エネ型(1.7W想定)
1.7W × 24 × (31 ÷ 1000) = 約 1.2648円/日
→ 1か月(30日)で 約 38円
→ 1年(365日)で 約 462円
※電気単価は例として31円/kWhで計算しています。実際のご契約単価に合わせて置き換えてください。待機電力はメーカー・型式・設置状況等で変わります。
「待機電力なんて微々たるもの」…と思う前に
給湯器単体では数百〜千円台でも、住まい全体で見れば待機電力の積み重ねはそれなりの金額に。まずは「どこで電気が使われているか」を知ることが、ムダの発見や省エネ行動につながります。
今日からできる、実践的な省エネヒント
- 給湯温度を少し低めに設定:必要以上に高温にしない
- 追い焚き回数を減らす:入浴タイミングを家族で合わせるなど
- 長期不在時はリモコンOFF:ただし本体側の主電源操作は取扱説明書の指示に従う
- フィルター・給排気経路の定期清掃:燃焼効率の維持に有効
- 古い機種は省エネ型への更新を検討:待機電力そのものの削減に直結
- 定期点検で状態を確認:劣化や不具合の早期発見で無駄な消費を防ぐ
まとめ:まずは「知る」ことから始めよう
ガス給湯器はガスだけでなく電気も使います。待機電力は小さく見えても、年間で見ると無視できないコストに。
仕組みと目安を知っておけば、設定の見直しや使い方の工夫、機器更新の判断材料になり、省エネと電気代・CO₂の削減につながります。
次回予告(例)
次回は「冷蔵庫の見直しポイント」や「エアコンの効率運転」など、身近で効果の出やすい対策を取り上げる予定です。