前回は、そもそも再エネ出力制限とは何なのか?制限しないとどのような問題が起こるのか?
というご説明をさせていただきました。
前回の記事をまだ読まれていない方は、こちらからお読みになられてくださいね。
九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施 その1
実はこの記事をあげた直後、九州電力は13日に再エネの出力制限実施の可能性を示唆し、実際に13日には制限がなされてしまいました。
九州電力 13日に再エネ出力制限を実施
九州電力は10月13日、太陽光発電の出力制御(出力抑制)を実施した。
離島を除くと、国内初。いずれは不可避と言われてきた出力抑制が、ついに現実のものとなった。
実施の前々日に当たる10月11日夕刻、九電は「13日に出力制御の可能性あり」と発表。
前日12日の17時頃に実施を決め、制御対象となる太陽光発電事業者に通知した。
結局九州電力は13日・14日の2日間出力制限を実施。来週の週末も実施する可能性を残しました。
今回の出力制御の対象は太陽光発電事業者の9759件で、一般家庭は対象外となりました。
地域は九州電力管内の福岡、佐賀、長崎、大分が大多数を占め、一部鹿児島・宮崎も制限対象となりました。
再エネ出力制限は何故実施されたのか?
簡単に説明すると、今回の制限は九州電力圏内で発電している電力が需要を大きく上回る可能性があり
「発電され過ぎなので、太陽光発電は少し発電を抑えて下さいね」
と言うことです。
先日もお伝えしましたが、電気は溜めておくことが出来ず、必要な分だけ発電、送電する事が求められます。
これらのバランスが崩れた場合、先日の北海道胆振東部地震の時のように、道内全域が停電すると言うブラックアウトが発生する可能性があるのです。
元々九州は日照時間が長く太陽光発電には向く地域であるため、太陽光発電の導入が進んでいるエリアになります。
つまり、他のエリアに比べて発電量が多いと言うこと。
春や秋になると空調機器による電力消費が落ちるため、九州電力管内の消費電力は減少します。
このような事情により、だいぶ気温も下がってきた10月の末に出力制限が実施される事となったのです。
出力制限は回避できなかったのか?
九州電力も様々な手を尽くし出力制限を回避すべく頑張っていました。
1:火力、水力発電所を停止
2:他の電力会社(中国・四国電力)へ電気を送電
3:揚水運転による再エネの余剰電力の吸収
3については聞きなれない言葉があるかと思うので簡単に説明すると、先程もお伝えした通り電気は溜めておくことが出来ません。
ですので水力発電所で使用する水を電気機器を使ってくみ上げ備蓄しておくことで、後々発電に使う水を溜めておこうと言う考え方です。
九種電力管内では原子力発電所も何基か稼働しておりますが、こちらについては停止・再稼働が非常に面倒なため今回の対策には対象外となっています。
もちろん、これで完璧だったのか?と聞かれると正直YESとは言えないのですが、これらの対策をしてもなお電力が余ると言う事態に陥ったわけです。
日々の電気料金は上がり続けているにも関わらず…です。
当面の所、関西には影響が無さそうな出力制限ではありますが、しばらくは動向を注視しておきたいと思います。