九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施 その2

太陽光発電の住宅

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前回は、そもそも再エネ出力制限とは何なのか?制限しないとどのような問題が起こるのか?

というご説明をさせていただきました。

前回の記事をまだ読まれていない方は、こちらからお読みになられてくださいね。
九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施 その1

 

実はこの記事をあげた直後、九州電力は13日に再エネの出力制限実施の可能性を示唆し、実際に13日には制限がなされてしまいました。

 

九州電力 13日に再エネ出力制限を実施

九州電力は10月13日、太陽光発電の出力制御(出力抑制)を実施した。

離島を除くと、国内初。いずれは不可避と言われてきた出力抑制が、ついに現実のものとなった。

実施の前々日に当たる10月11日夕刻、九電は「13日に出力制御の可能性あり」と発表。

前日12日の17時頃に実施を決め、制御対象となる太陽光発電事業者に通知した。

※出典:日経ビジネスON LINE
九電が国内初の太陽光出力制御、回避の道は?

 

結局九州電力は13日・14日の2日間出力制限を実施。来週の週末も実施する可能性を残しました。

今回の出力制御の対象は太陽光発電事業者の9759件で、一般家庭は対象外となりました。

地域は九州電力管内の福岡、佐賀、長崎、大分が大多数を占め、一部鹿児島・宮崎も制限対象となりました。

 

再エネ出力制限は何故実施されたのか?

簡単に説明すると、今回の制限は九州電力圏内で発電している電力が需要を大きく上回る可能性があり

「発電され過ぎなので、太陽光発電は少し発電を抑えて下さいね」

と言うことです。

 

先日もお伝えしましたが、電気は溜めておくことが出来ず、必要な分だけ発電、送電する事が求められます。

これらのバランスが崩れた場合、先日の北海道胆振東部地震の時のように、道内全域が停電すると言うブラックアウトが発生する可能性があるのです。

 

元々九州は日照時間が長く太陽光発電には向く地域であるため、太陽光発電の導入が進んでいるエリアになります。

つまり、他のエリアに比べて発電量が多いと言うこと。

春や秋になると空調機器による電力消費が落ちるため、九州電力管内の消費電力は減少します。

このような事情により、だいぶ気温も下がってきた10月の末に出力制限が実施される事となったのです。

 

出力制限は回避できなかったのか?

九州電力も様々な手を尽くし出力制限を回避すべく頑張っていました。

 

1:火力、水力発電所を停止

2:他の電力会社(中国・四国電力)へ電気を送電

3:揚水運転による再エネの余剰電力の吸収

 

3については聞きなれない言葉があるかと思うので簡単に説明すると、先程もお伝えした通り電気は溜めておくことが出来ません。

ですので水力発電所で使用する水を電気機器を使ってくみ上げ備蓄しておくことで、後々発電に使う水を溜めておこうと言う考え方です。

九種電力管内では原子力発電所も何基か稼働しておりますが、こちらについては停止・再稼働が非常に面倒なため今回の対策には対象外となっています。

もちろん、これで完璧だったのか?と聞かれると正直YESとは言えないのですが、これらの対策をしてもなお電力が余ると言う事態に陥ったわけです。

日々の電気料金は上がり続けているにも関わらず…です。

 

当面の所、関西には影響が無さそうな出力制限ではありますが、しばらくは動向を注視しておきたいと思います。

九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施 その1

九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施

電気料金速報では毎月の値上げをお伝えしていますが、一方で電気料金にも影響しかねない少し気になるニュースが入ってきたのでご紹介しようと思います。

 

タイトルを見ると、「九州電力圏内にて、初の再エネ出力制限が実施」

「再エネ出力制限!?」何それ!?

と言う人がほとんどかと思いますので先に解りやすくご説明すると…

 

再生可能エネルギー(太陽光や風力発電など)を大手電力会社(今回は九州電力)に販売している企業に対し、九州電力側が再生可能エネルギーの発電を抑えてくれませんかとお願いしている…

 

という話です。

 

九州電力は10日、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー事業者に対し、発電を一時停止する「出力制御」を要請する方針を表明した。

大規模停電の原因になり得る過剰な発電を抑制し、電力需給のバランスを維持するのが目的。離島での実施例はあるが、広域での太陽光発電などの停止要請は国内初となる。

※出典:時事通信社
太陽光発電、初の一時停止へ=供給過多による大規模停電防止-九電へ

そもそも、何故九州電力は自然に優しい再生可能エネルギーの受け入れを停止しなくてはらなないのでしょうか?

一番の原因は、まだ記憶に新しい平成30年北海道胆振東部地震において発生した「ブラックアウト」です。

 

ブラックアウトとは

一時期テレビ等でかなり報道されていましたのでご存知の方もいらっしゃるかとは思いますがおさらいの意味も込めて簡単にご説明しますね。

「平成30年北海道胆振東部地震」では、地震発生後北海道電力管内の全ての地域で停電が発生すると言う事態が発生しました。

これは現状の大手電力会社が運営する形となってからは初めての事で、東日本大震災発生時、福島第一原発の事故が発生した時でさえ発生しなかった大規模停電が北海道で発生した事になります。

 

ブラックアウトは何故発生する?

大前提として、「電気は溜めておくことが出来ない」エネルギーです。

蓄電池や自動車のバッテリーを思い浮かべると不思議なような気もしますが、大手電力会社では管内の毎月の電力使用量を予測し必要な分だけ電力を発電・供給しています。

 

細かい経緯は省略しますが、北海道胆振東部地震では道内の生産能力の4割超を占める苫東厚真火力発電所が停止。

このため電力供給が不安定となり、道内全域を巻き込んだ大規模停電が発生しました。

 

電気には「周波数」と言うものがあり、電力の需要と供給が安定している時は問題ないのですが、どちらかが過多になった場合周波数の値が大きく変動します。

周波数が乱れると発電所の機器に様々な悪影響を与える可能性があるため、発電所は周波数の乱れを感知した場合運転を停止します。

こうする事により発電所の被害を最小限に抑えることがき、停電も比較的短時間で抑えることが可能なわけです。

しかし、道内随一の発電量である苫東厚真火力発電所の停止は、結果として他の発電所に負荷がかかり、連鎖的に停電を拡散させる結果となってしまいました。

 

一言でいえば、

「電気は必要な分をその都度生産・供給しないと停電する可能性がある」

と言うことですね。

 

勘のいい人はここで気づかれた方がいらっしゃるとは思いますが…

「電気の発電量が多すぎても周波数が乱れ、大規模停電が発生する可能性がある」

とも言えるのです。

 

なので今回の九州電力の発表は、

「管内の発電量が電力需要を上回りそうだから下手すれば大規模停電が起きるかも。なので、ちょっと再生可能エネルギーを作るの抑えてくれませんか?」

というお願いなのです。

少し長くなりましたので続きは次回に。
次回は出力制限についてもう少し具体的な所を掘り下げて見たいと思います。

【電気料金速報】4カ月連続値上げになるか!?11月の電気料金推移は?

電気代UPに悩む女性

【電気料金速報】雨天続く秋空。11月の電気代も暗雲漂う!?

先日の記事でも書きましたが、今年は本当に天災が多いですね。

この週末も大型の台風が接近。しかも日本列島縦断コース。

関西でも一部の地域では数日停電が続きましたが、今回はそのような事にならなければいいんですが…

暗雲立ち込めるのは空模様だけではありません。

11月の電気代速報が発表されましたが、4ヶ月連続で大手10社全てで値上げになるようです。

 

11月も電力大手10社全てで値上げに

先日、以下のようなニュースが報道各社より伝えられました。

大手電力各社はことし11月の電気料金をそろって値上げすることになりました。

火力発電の燃料となる石油や天然ガスなどの輸入価格の上昇が続いているためです。

※出典:NHK NEWS WEB
大手電力各社 11月の電気料金そろって値上げへ

 

「実は上記引用のNHKのサイトですが、当サイトで転載している部分は先月と全く同じです。(9月→10月以外)」

と言うコメントを前回書いたのですが。今月も全く同じですね。

 

11月の電気代の値上げ幅は?

もう4ヶ月連続になるんですねぇ。

本当に、ジワリジワリと上がっているので気がつきにくいんですが、着実に電気料金は値上げの一途をたどっているようです。

では各社の値上げ幅一覧を見て見ましょう。

 

【2018年10月 電気代の前月比】
●北海道電力:53円(値上げ)
●東北電力:52円(値上げ)
●東京電力:65円(値上げ)
●北陸電力:31円(値上げ)
●中部電力:54円(値上げ)
●関西電力:36円(値上げ)
●四国電力:39円(値上げ)
●中国電力:52円(値上げ)
●九州電力:37円(値上げ)
●沖縄電力:73円(値上げ)

 

ちなみに、先月の上昇幅はと言うと…

 

【2018年10月 電気代の前月比】
●北海道電力:85円(値上げ)
●東北電力:54円(値上げ)
●東京電力:83円(値上げ)
●北陸電力:50円(値上げ)
●中部電力:52円(値上げ)
●関西電力:31円(値上げ)
●四国電力:60円(値上げ)
●中国電力:62円(値上げ)
●九州電力:50円(値上げ)
●沖縄電力:96円(値上げ)

10社全てが値上げになるのは4ヶ月連続。

ただ、東北・中国・四国・九州においては11カ月連続の上昇とのこと。

これって結構バカにならない数字ですよ!?

 

今回の燃料費調整制度の推移は?

今回も石油・石炭・LNG(液化天然ガス)全ての価格が上昇したために燃料調節費へ反映された結果の値上となりました。

先日のニュースでは、国際原油価格の上昇が止まらず、2014年11月以来の最高値を記録したそうです。

ご存知の通り、米国トランプ大統領の対イラン政策により原油の市場には警戒感が溢れています。

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国は原油価格が上昇しないよう圧力を掛ける米国に対し、急な増産をしない方向で合意。

これが更なる価格上昇に一役買っているようです。

石油価格の上昇は、他の原料にも少なからず影響を与えます。

原油価格の上昇はそう長くは続かないとの意見もありますが、現状を見る限りではしばらくの間は上昇傾向が続くとみる専門家が多いようです。

※今回、2018年11月分の電気料金については、2018年6月~2018年8月の間に調達した原料のコストが電気料金に反映されます。

 

このままだと年末には「今年はずーっと値上げでした」なんて報告をしなきゃいけないような気がしますね…

台風21号・北海道地震で被災された皆様へ、心よりお見舞いを申し上げます。

東京のビル群
この度の台風21号の災害並びに北海道地震により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

北海道では道内全域で停電状態が発生、一部地域を除き全面復旧にはかなりの時間がかかるとの報道もございます。

また、関西国際空港を始め関西エリアでも一部交通網の遮断、さらには建物の倒壊等被害の報告がございます。

この週末は全国的に天候が悪く、余震などにより二次災害が発生する可能性も考えられます。

どうかくれぐれも身の安全を第一に考え行動なされてください。

 

皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心より お祈り申し上げます。

 

 

株式会社クロスサポート

【電気料金速報】3カ月連続値上げになるか!?10月の電気料金推移は?

電気代UPに悩む女性

【電気料金速報】まだまだ続く!!9月も電気料金の値上げが…

散々猛威を振るった酷暑も若干ではありますが陰りが見え始めた今日。

今月の電気代は、みなさんかなりの増額になってはいませんか?

暑がりである私の妻も、連日の猛暑日には耐え切れずエアコンの使用時間が伸びる日々。

来月の電気代の請求は、過去最高になるかもしれませんね…

そうそう、10月の電気代のお話でしたね。

皆さんお気づきかと思いますが、残念ながら10月も値上げの見込みです。

しかも、電力大手10社全てで値上げとの発表がありました。

 

10月も電力大手10社全てで値上げに

先日、以下のようなニュースが報道各社より伝えられました。

大手電力各社は、ことし10月の電気料金をそろって値上げすることになりました。

火力発電の燃料となる石油や天然ガスなどの輸入価格が上昇したためです。

※出典:NHK NEWS WEB
大手電力各社 10月の電気料金そろって値上げへ

 

実は上記引用のNHKのサイトですが、当サイトで転載している部分は先月と全く同じです。(9月→10月以外)

 

10月の電気代の値上げ幅は?

かれこれ3ヶ月連続になるそうですが、今回「も」大手10社すべてが値上げになります。

では各社の値上げ幅一覧を見て見ましょう。

 

【2018年10月 電気代の前月比】
●北海道電力:85円(値上げ)
●東北電力:54円(値上げ)
●東京電力:83円(値上げ)
●北陸電力:50円(値上げ)
●中部電力:52円(値上げ)
●関西電力:31円(値上げ)
●四国電力:60円(値上げ)
●中国電力:62円(値上げ)
●九州電力:50円(値上げ)
●沖縄電力:96円(値上げ)

 

ちなみに、先月の上昇幅はと言うと…

 

【2018年9月 電気代の前月比】
●北海道電力:57円(値上げ)
●東北電力:47円(値上げ)
●東京電力:65円(値上げ)
●北陸電力:33円(値上げ)
●中部電力:50円(値上げ)
●関西電力:29円(値上げ)
●四国電力:42円(値上げ)
●中国電力:50円(値上げ)
●九州電力:40円(値上げ)
●沖縄電力:73円(値上げ)

先月の速報では、8月→9月で値上げ幅が大きく感じるとお伝えしました。

しかし、10月は全ての地域で前月比100%以上の上昇率となっています。

 

今回の燃料費調整制度の推移は?

今回も石油・LNG(液化天然ガス)の調達コスト上昇が価格に反映された形です。

実は原油価格についてはここ1年ほど右肩上がりの状況が続いており、昨年6月の原油価格と今年の6月では約1.5倍も上昇しています。

米国の貿易問題についても進展が見られない今、エネルギー関連についてもあまり明るいニュースが無いのが現状です。

※今回、2018年10月分の電気料金については、2018年5月~2018年7月の間に調達した原料のコストが電気料金に反映されます。

 

電気料金の値下がりが期待できない今、せめて気温だけでもマシになってくれればとは思うんですが…

残念ながらこちらもしばらく残暑が続きそうな気配。

みなさん、くれぐれも体調管理にはお気をつけて。

【電気料金速報】まだまだ続く!!9月も電気料金の値上げが…

【電気料金速報】まだまだ続く!!9月も電気料金の値上げが…

例年以上の猛暑が続く今日この頃。皆さんの家庭でも例年と比較し電気の使用量が増えているのではないでしょうか?

そんなお財布事情にも厳しい今日この頃、さらに厳しいお話をしなくてはなりません。

そう、9月も電力大手10社全てで値上げとの発表がありました。

 

9月も電力大手10社全てで値上げに

先日、以下のようなニュースが報道各社より伝えられました。

大手電力各社は、ことし9月の電気料金をそろって値上げすることになりました。

火力発電の燃料となる石油や天然ガスなどの輸入価格が上昇したためです。

※出典:NHK NEWS WEB
9月の電気料金 全社が値上げ 都市ガス大手も値上げ

 

ガスも大手4社で揃って値上げ。ほんと厳しい状態が続きますね…

 

9月の電気代の値上げ幅は?

かれこれヶ月連続になるそうですが、今回「も」大手10社すべてが値上げになります。

では各社の値上げ幅一覧を見て見ましょう。

 

【2018年9月 電気代の前月比】
●北海道電力:57円(値上げ))
●東北電力:47円(値上げ)
●東京電力:65円(値上げ)
●北陸電力:33円(値上げ)
●中部電力:50円(値上げ)
●関西電力:29円(値上げ)
●四国電力:42円(値上げ)
●中国電力:50円(値上げ)
●九州電力:40円(値上げ)
●沖縄電力:73円(値上げ)

 

ちなみに、先月の上昇幅はと言うと…

 

【2018年8月 電気代の前月比】
●北海道電力:17円(値上げ))
●東北電力:26円(値上げ)
●東京電力:37円(値上げ)
●北陸電力:13円(値上げ)
●中部電力:34円(値上げ)
●関西電力:18円(値上げ)
●四国電力:13円(値上げ)
●中国電力:26円(値上げ)
●九州電力:18円(値上げ)
●沖縄電力:18円(値上げ)

先月と比較し、値上げ幅が大きく感じますね。

特に沖縄電力・中国電力・中部電力・東京電力については2ヶ月で100円近い値上げになっています。

 

今回の燃料費調整制度の推移は?

今回は石油・LNG(液化天然ガス)の調達コスト上昇が価格に反映された形となっています。

実際、原油・LNGについて価格上昇の要因となりそうな事柄をあげて見ると…

 

【原油】
・米国の制裁により市場へのイラン産原油の供給が減る可能性を懸念
・米国の貿易摩擦問題により原油価格の不安定化

【LNG】
・耐環境改善のため中国からの需要が大幅増

 

原油は3月よりずっと上昇傾向。正直落ち着きそうなネタが無いのが現状です。

LNGは原油価格に比べればまだましな推移だとは思うのですが、中国次第では今後さらならる価格上昇が発生する可能性は大いに考えられますね。

※今回、2018年8月分の電気料金については、2018年4月~2018年6月の間に調達した原料のコストが電気料金に反映されます。

 

「今年は暑いな~」なんて言葉、この時期になったら毎年聞いていたはずなのですが。

今年は日本各地で連日35度を超える猛暑日が続く毎日。夜は夜で25度を超える熱帯夜が続き、室内ではずっとエアコンが稼働しっぱなしと言う家も多いのではないでしょうか?

このまま8月も同じような暑い日簿が続きそうな感じですが、9月も同じような例年以上の暑い日が続くのでしょうか?

財布に厳しい値上げのお話でしたが、冷房を適切に利用し熱中症にはくれぐれも注意されてくださいね。

電力大手10社 計画停電に関する考え方を発表

電力大手10社 計画停電に関する考え方を発表

相変わらず暑い日々が続く7月。テレビでは日々熱中症に関する注意喚起がなされ一歩外に出るともう汗だくに…なんて日々が続いていますね。

わが家でも朝からエアコン嫌いの妻がエアコンを稼働させたりと、例年より消費電力があがってそうな状況です。

もちろんそれはどこの世帯でも同じでしょうし、実際問題春と比べて国内全体の消費電力が増加しています。

 

今のところ電力の供給量は問題なさそうな感じですが、先の西日本豪雨のように何か災害が発生した時には電力の供給が滞る可能性も0ではりません。

そんななか、電力広域的運営推進機関と送電事業者大手10社は計画停電に関する考え方を公表したと言うニュースが流れてきました。

 

そもそも計画停電とは?

まずは計画停電と言うものがどういうものかご説明しますね。

猛暑による需要増加や災害等による発電・送電設備の不具合等が発生し得電力の供給量に問題が発生した場合、最悪該当する電力事業者の管轄内において大規模な停電が発生する可能性があります。

こういった事態を避けるため、電力会社が予め電力事業者が日時や時間、一般家庭や事業用といった用途を指定し計画的に電力の供給を停止する事で大規模な停電を避ける手法で、特に地域を区分して順番に停止を実施する場合は輪番停電とも言われます。

 

実際2011年の東日本大震災の発生時、東京電力の管轄内に置いて大規模な計画停電が実施されました。

各電力会社による考え方について

計画停電は実施する地域により詳細が異なります。
大手10社では、自社のHPに詳細な情報が公開されています。

各ページには、本日の電力需要のお知らせなど様々な情報が公開されていますので、一度ご覧になってはいかがですか?

 

計画停電の例:関西電力

関西電力の管轄エリアを6グループに分け、各グループ約2時間程度順番に停電を実施します。
停電時間帯が公平となるように、毎日1時間づつ停電する時間はずれます。

【該当する都道府県】
大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山

※参考 関西電力:万が一の備えとしての計画停電準備について

 

本件は去年の10月、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)による審議会で、災害時等緊急時の対応として電力大手10社に向けて計画停電の対応を考えるよう指示が出されたために発表されたようです。

もちろん、こういった状況にならない事に越した事は無いのですが、昨今の異常気象や地震など災害を予測する事が困難な事態が現実として発生している以上、自身や家族の身を守るための知識として知っておいた方が良いかもしれませんね。

西日本豪雨災害で被災された皆様へ、心よりお見舞いを申し上げます。

東京のビル群
この度の西日本豪雨災害により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

気象庁では、今後西日本は真夏日が続くとの予報が発表されております。

今なお避難所にて生活されている皆様、地域の復興のため尽力されている皆様にはご苦労が絶えないかと思いますが、体調に気を付けてお過ごしください。

 

皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心より お祈り申し上げます。

 

 

株式会社クロスサポート

【電気料金速報】8月は値上げの夏!!大手10社値上げへ

【電気料金速報】8月は値上げの夏!!大手10社値上げへ

前回の電気料金速報では、「8月もあまり良い報告はできそうにない」とお伝えしました。

残念ながら予想通りの結果になりましたね…

8月の電気料金は、大手10社全てで値上げとなるようです。

 

8月は電力大手10社全てで値上げに

先日、以下のようなニュースが報道各社より伝えられました。

電力大手10社は28日、8月の電気料金をそれぞれ前月より引き上げると発表した。

火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇を反映したもので、全社が値上げするのは2カ月ぶり。

※出典:時事通信社 
電気・ガス大手、8月に一斉値上げ=燃料価格上昇で

 

「大手10社全てが値上げするのは2ヶ月ぶり」だそうですが、先月も6社が値上げだったんですよねぇ。

 

8月の電気代の値上げ幅は?

かれこれ4ヶ月連続になるそうですが、今回「も」大手10社すべてが値上げになります。

では各社の値上げ幅一覧を見て見ましょう。

 

【2018年7月 電気代の前月比】
●北海道電力:17円(値上げ))
●東北電力:26円(値上げ)
●東京電力:37円(値上げ)
●北陸電力:13円(値上げ)
●中部電力:34円(値上げ)
●関西電力:18円(値上げ)
●四国電力:13円(値上げ)
●中国電力:26円(値上げ)
●九州電力:18円(値上げ)
●沖縄電力:18円(値上げ)

 

ちなみに、先月の上昇幅はと言うと…

 

【2018年7月 電気代の前月比】
●北海道電力:-7円(値下げ)
●東北電力:13円(値上げ)
●東京電力:10円(値上げ)
●北陸電力:0円
●中部電力:18円(値上げ)
●関西電力:226円(値下げ)
●四国電力:5円(値上げ)
●中国電力:5円(値上げ)
●九州電力:7円(値上げ)
●沖縄電力:0円

関西電力については、先月原発稼働の影響で値下げされたばかりなんですが。

流石に燃料調達費の上昇には勝てず、値上げとなってしまいましたね。

関西電力、原発稼働により大幅値下げへ

 

今回の燃料費調整制度の推移は?

今回については石油・石炭・LNG(液化天然ガス)といった燃料全ての調達コスト上昇、大手10社全てに響いた形となっています。

もちろん大手ガス4社もそろって値上げとなりました。

原油価格については米国のイラン核合意への離脱関連の問題により、緩やかにではありますが上昇気配。

実際問題、昨年7月よりずっと右肩上がりではあるんですがね。

OPEC加盟国に、トランプ大統領が価格の引き下げを要望しているようですが、正直これだけでは厳しいのではないかと思いますね。

※今回、2018年8月分の電気料金については、2018年3月~2018年5月の間に調達した原料のコストが電気料金に反映されます。

 

ある程度予想していたことではありますが、やはり値上げになりましたね。

この記事を書き始めて結構期間が経ちましたので、そのうち価格推移のグラフでも作成してみようかと考えています。

完成しましたら、またご報告させてもらいますね。

まだまだ続く!?関西電力・大阪ガスの価格競争

まだまだ続く!?関西電力・大阪ガスの価格競争
予想はしていましたが、やはり素早い対応でしたね~

先日関西電力が大浜原発の稼働に伴い電気料金を値下げすると言う情報をお伝えしましたが、発表から1月きもたたないうちに大阪ガスが反撃。

大阪ガスは、7月より自社で提供する電力自由化の料金を値下げすると発表しました。

●大浜原発稼働による関西電力の値下げ記事はこちら

関西電力、原発稼働により大幅値下げへ

 

大阪ガス、関西電力に対抗し値下げへ

以下、メディアからの情報です

大阪ガスは5日、7月1日から電気料金を値下げすると発表した。

4人家族をモデルとしたケース(月間使用量370キロワット時)では4.6%の値下げとなり、使用量が多い家庭ほど割安になるよう設計した。

関西電力が大飯原発3、4号機の再稼働によって7月から家庭向け中心の規制分野で4.03%値下げするのに対抗した。

※出典:毎日新聞
大阪ガス 7月から電気料金値下げ 4.6% 関電に対抗

あれ、先月NHKの情報だと、関西電力の値下げは一般的な世帯で約5.36%の値下げだったと思うんですけど…

正直この辺りは情報を出す側が有利になるように計算しているかと思うので細かい数値はあまりあてにならない事が多いのですが。

ただ、大阪ガスの発表としては、「7月からの電気料金の値下げは、関西電力より大阪ガスの方が値下げしますよ。」と言いたいようです。

実際問題、大阪ガスは関西電力が値下げを発表する前までは電気料金の優位性を確保していましたが、大浜原発がらみの値下げで立場は逆転。

このままではまずい…と言うのが大阪ガス経営陣の判断なんでしょうね。

 

関西電力・大阪ガスの価格抗争の歴史

対象年度 関西電力 大阪ガス
平成28年4月1日 電力自由化で大阪ガスが参入
平成28年12月27日 大阪ガスより安い料金プランを発表
平成29年1月5日 関西電力より安いプランを発表
平成29年1月12日 料金プランの改正で値下げへ
平成29年4月1日 ガス自由化に関西電力が参入
平成29年度7月6日 高浜原発稼働で電気料金値下げを発表
平成29年度7月14日 電気料金の値下げを発表
平成30年度5月28日 大飯原発稼働で電気料金値下げを発表
平成30年度5月31日 電気料金の値下げを発表

これを見ると、関西電力のプランに大阪ガスが対抗しているって気もしますね。

しかし、制度上しょうがなかったとは言え、関西電力は電量自由化のおかげで大阪ガスにかなりの顧客を奪われてはいるのですが。

ちなみに東京電力関連会社である東京電力エナジーパートナーも関西電力圏内の電気料金を値下げする方向で検討に入ったとのこと。

消費者にとってはありがたい限りですが、関西電力自体は難しい舵取りが続きそうですね。

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